【解説付き】CIC発表:中国ソーシャルメディア業界構造2015


2015年6月4日、CICが2008年より毎年発行している中国ソーシャルメディアランドスケープ(中国SNS業界構造)の2015年版を発表しました。6月5日にCICの上海の方からweibo微博で連絡をいただき、日本語化してOKとのことだったので、早速中国ソーシャルメディアの最新業界動向を日本語化し、3行まとめと、アジアビジネスなう運営のイヨタコメントをつけてご紹介していきます。

オリジナルの中国語版リンクは↓
2015年中国社会化媒体格局: 你需要知道的有关微信、微博及其他热点平台的六件事

 2013年版の記事はこちら
中国ソーシャルメディア業界図2013【日本語版】【2013年4月2日CIC公表】


2015年中国ソーシャルメディア業界

▼概要
①wechatの影響力は拡大し続け、他のSNSをリードし続ける
②weiboは重要なSNSであり続ける
③クローズドコミュニティーのモバイル化
④ソーシャルメディアの新たな注目ポイント
⑤ECプラットフォームの顧客口コミの爆発的増加
⑥C2C販売者のオリジナルコンテンツ“第四のメディア”の影響力

中国ソーシャルメディア2015

① wechatの影響力は拡大し続け、他のSNSをリードし続ける

▼3行まとめ
・wechatが中国SNSをリードする
・wechatは多機能で020強い
・ユーザーデータトラッキング、インフルエンサーとの協力はマスト

中国、中国消費者に関連する人からすると、wechatの影響力と市場支配は明らかである。今日のwechatはすでにいたるところでユーザーの様々な需要をみたしているように見える。WhatAppのようなメッセージチャット機能、Facebookのようなタイムライン機能、PayPalのような決済機能から 金融商品、タクシー配車、そしてレストラン予約サービス、アプリ内サービスまで対応しており、wechatはいちソーシャルメディアプラットフォームというだけでなく、 人々の生活をより良くすることのできるシステムであり、言うなればソーシャルメディアにおける”多機能アーミーナイフ”であり、これは オンラインとオフラインの行動をより緊密に結びつけるものである。

wechatタイムライン内の投稿は、今のところwechatマーケティングを展開する企業によるトラッキングはできないが、wechatオフィシャルアカウント上のコンテンツに対しては分析とデータマイニングがかけられている。新種のオウンドメディアとして、無料アカウントから有料コンテンツ配信アカウントまで、wechatオフィシャルアカウントはますます大きな影響力を発揮している。メーカーやブランド、著名人、@ブロガー、メディア(レガシーメディア、ウェブメディア)は現在保有する、weibo微博、Twitter,Facebookのアカウントと同様に、wechatオフィシャルアカウントを保有しており、新たなユーザーに向けてコンテンツや記事を配信している。

ブランドやメーカーも、自社のオウンドメディアや競合他社の状況のトラッキングをはじめとして、著名人や@ブロガー、メディアアカウント、フリーペーパー的なアカウント等のインフルエンサーの動向、言動を考慮した上で、これらの媒体への影響力を高めた上で、商品の在庫管理、コンテンツ戦略といった意思決定を行うべきである。

▼イヨタコメント
wechatはとにかく多機能ですね。私もwechatの個人オフィシャルアカウントを運用して2年になりますが、wechatオフィシャルアカウントの機能追加のペースには驚かされます。LINE@を筆頭に、LINEタクシー、LINEペイ、LINEと店舗連動系のサービス等LINE側でもいろいろとO2Oサービスが加わっていますが、wechatに関してはその先を行っていると言っていいでしょう。wechatを使ったタクシー(嘀嘀打车,快的打车)に関しては50歳のおじさんおばさんの利用も一般的で、LINEペイ=(wechat決済、微信支付)では2年前頃から盛り上がっている旧正月の企業からのお年玉送付、2015年の5月10日(中国語のI love you 我爱你と5月20日の発音が近いためできた記念日)の友人間決済等、プロモーションにおける現金プレゼント文化、タクシー運転手とユーザーに対するインセンティブ施策、非店舗に対するオフィシャルアカウント開設許可(LINE@の初期は店舗のみ)によるオウンドメディアとしての早期市場参入、などなどいろいろと背景はありますが、中でもwechatAPIの公開による周辺ビジネス・サービスの創出という点に私は注目しています。例えばwechatの位置情報を使って、大学内で小売サービスを始めるといったところからO2Oの事例も2013年段階で出ており、中国のtech系のメディアを見る限り、メッセージチャット、O2Oの近未来をwechat系のサービスから見いだすこともできるかと思います。

wechat微信オフィシャルアカウント
※ 画像はwechat微信オフィシャルアカウントのトップ画面。機能追加っぷりが激しい。

 

② weibo微博は重要なSNSであり続ける

▼3行まとめ
・weibo滅亡論は言い過ぎ
・閲覧数ではweibo>wechat
・プロモーションではweiboマスト

「weiboウェイボは今まさに滅亡しようとしている」という人もいるが、これは現状を大げさに言い過ぎたものであるというのがCICとしての解釈だ。一般ユーザーが最も利用するのはwechatのタイムラインではあるが、時事的なニュースを知るのに最も早いのはweiboウェイボであり、これは欧米のtwitterと同じような使われ方である。
確かにwechatオフィシャルアカウントの重要性は日に日に増しており、記事コンテンツ一つで10万PVを超えるバズ記事も出ているが、weiboウェイボの場合だと、リーチはその10倍の100万インプレッションクラスとなる。話題性の高いブランド、特に著名人やインフルエンサーとのコラボでの、ブランド品等の贅沢品、ファッションやトレンド、美容化粧ブランドといった領域では、ソーシャルメディアの戦略的な活用においてweiboウェイボの軽視はあり得ない。

▼イヨタコメント
wechat微信かweibo微博か?facebookかLINEか?とまあ、交流型SNSからメッセージチャットが盛り上がリを見せる時代の趨勢とともに、この論争も盛り上がります。これに関しては、wechatが劇的にユーザーを獲得し、weiboがピークを過ぎ安定期に入った2014年に実は話し尽くされた感があります。情報がオープンかクローズドか、リーチ、ゴールまでの導線設計のしやすさ(埋め込みの可否、PC閲覧の可否等)を総合的に見るとweiboオワタ\(^o^)/とは言えないでしょう。wechat微信かweibo微博については、weiboウェイボ日本の総代理店FindJapan株式会社の卢八味さんが2014年に沪江网(日本語学習、日本留学斡旋大手)のインタビュー”二つの【微】時代。マイクロ(微)世界の栄枯盛衰。”で詳細についてお話しされているので、これを読めば一発!日本語版のリンクはこちら日本企業の対中国プロモーションでも、最近wechatの相談が多く、その中でもweiboもうダメなんでしょ?というような認識の方が多いようなので、weiboとwechatの違いについては、プロモーション手法と効果の違いも含めて是非知っていただきたいですね。久しぶりにセミナーやりましょうかね。

 

日本語お兄さん
画像クリックでweiboページへ

 

③クローズドコミュニティーのモバイル化

▼3行まとめ
・BBS掲示板→SNSの時代→モバイル化
・利用者間交流のコミュニティ機能がイケてる
・クローズドコミュニティアプリはターゲットデータの入手源になる

微信、微博、开心、人人、博客等が流行る以前、中国のネット社会で最も熱かったのはBBS论坛(掲示板)であった。このように決まった趣味の交流コミュニティーは今や、モバイル化が進みポータブルなスマホアプリとなっている。汽车之家(車関連)、篱笆网(ライフサービス関連)といった掲示板は、ただ単にウェブ版のホームページを携帯版に移行させただけであるが、一方で、小红包、大姨吗(生理周期系)や辣妈帮(女性ライフスタイル系)といったものは、もともと携帯アプリとしてコミュニティーが作成されており、その中には、数百万通もの利用者間交流を可能にするような機能もある。我々はこれこそが中国におけるソーシャルメディアの著しい発展であると考える。今後、ソーシャルメディアは、ただ単に微信を核として発展していくのではなく、多種多様に富んだデジタルプラットフォームになっていくだろう。2015年の中国ソーシャルメディアのカテゴリーのうち、我々は車、保育、ファッション、健康やその他人気トピックを扱うアプリをカテゴリーの外側においた。これらのアプリは今後、ターゲット利用者やメディア分析の根拠となる数値データの入手源になるだろう。

▼イヨタコメント
健康→医療、ファッション→EC、保育→都市サービス、こんな感じでビッグデータから読み取って最適化されていくんでしょうね。2014年末時点で中国のネットユーザーは6.49億人、一つのアプリでMAU(月間アクティブユーザー)が1億人を超えるアプリも6つあります。データとしては十分すぎますね。図中の外側の枠に属するSNSで私が注目しているのは旅行×ソーシャルの領域。
コミュニティ運営についてははオンライン、オフラインともに重要で、ユーザーをいかに獲得するか、いかに満足度を高めるか、古参ユーザーの取り扱いをどうするか、この辺の泥臭いところは今も昔も結局は変わらないところで、オンライン・オフライン問わずコミュニティ運営、マーケティングの領域だと思います。

大姨妈中国ルナルナ


中国版ルナルナ”大姨吗”、生理周期予測サービス。ウェブからモバイルへの移行もしくは、最初からモバイル特化。


④ソーシャルメディアの新たな注目ポイント

▼3行まとめ
・若者の○○離れは世界共通の現象
・SNSの細分化
・ターゲティングとメディア選択の重要性

父母、先輩、先生や上司までもが微信を使い始めた時、若者は独自のソーシャル活動をする場を必要とする。Niceや美拍はこういった状況の下で流行り始めた。雷朋や宝格丽などのブランドは、既にこれらのアプリでキャンペーンを実施したが、Niceと美拍は同様なアプリによる激しい競争を強いられ、市場の独占ができずにいる。ソーシャルメディアの多様化は留まることがなく、そのため、ブランドはメディアを吟味したうえで、確実にターゲットとする顧客に情報を届けることのできるメディアを選択することが大切である。

▼イヨタコメント
facebookと同様に、若者を中心として利用されたサービスに新たな年代層が流入してくると、若者は別の居場所を求めて新たなサービスを求める。アメリカにおけるsnapchat、日本における動画のmixchannel、中国でも同様でこれらのアプリを使ったプロモーションまで出始めている。初期のvineが特定のユーザー層に対して爆発的なプロモーション力を誇ったように、この手法は超アリ。日本企業の対中国プロモーションもここまでできると面白い。Q&A系の知乎でもいいし(10000フォロワー突破)、美拍,秒拍,拍客,微视,gif快手あたりの8秒ムービー系でもいいし(200万再生突破)、どこか中国でやってみたい企業さんありましたら是非!

秒拍中国ソーシャルメディア

※中国版vineである秒拍を使った日本紹介動画。こういった新しいアプリは若年層ユーザーの比率が高い。券売機から駅員さんが出てくる場面で、10.8万回再生、95コメント。

6秒ループ動画アプリ『VINE』が・・・最近やバインです。
Vineあたりも2013年には事例が出てます、さて次はなんでしょう。


⑤ECプラットフォームの顧客口コミの爆発的増加

▼3行まとめ
・ECの爆発的な伸び
・EC上でのコメントがネット書き込みの7割
・消費者分析はECコメントも見ましょう

ECプラットフォームの売上大幅増に伴い、顧客の口コミも商品説明に一役買っている。Kantar Media CICは現在、中国国内の9つの主要ECプラットフォームの顧客口コミをフォローしている。我々の調べによると、いくつかの業界では、微博や论坛(掲示板)と比べ、ECプラットフォームの評論はネットユーザーの約70%の書き込みを占めており、顧客満足度をより詳細に反映している。消費者の洞察・分析データの重要な出所として、また影響力のあるメディア媒体として、ECプラットフォームは必ず注目しなければいけないプラットフォームである。

▼イヨタコメント
EC上でのコメントが7割!?これはかなり意外でしたが、よくよく考えてみると今日の中国人による日本観光時の爆買い行動のにおける口コミというのも、C2CのECプラットフォームである淘宝タオバオ上での評判をもとに、weibo微博、wechat微信でコンテンツ化されており、ユーザーの一次情報としてはやはりECプラットフォーム上でのコメントがそのソースになっている。淘宝タオバオのパワーは偉大で、中国人は暇さえあれば淘宝タオバオを見ている。日本の若い女性がメリーを見るぐらいの勢いでひたすら見てますね。からのモバイルで支付宝アリペイ決済(アリババの電子マネー)。ここで参考にするのが、买家秀という購入者コメント。最近では写真と違いすぎるネタ画像もバズってますね。中国ソーシャルと関わり始めてこれから4年目になりますが、今まではECを除くメディア領域を主戦場としていたので、ECの領域のコメントまでという視点は抜けていました。印刷→ラジオ→テレビ→デジタルと遷移したマーケティング業界が数百年、EC業界で20年ほど、ソーシャル業界ができて10年といったところでしょうか。隣接する領域の歴史と今後も含めてこそ陳腐化しないノウハウへ。

淘宝タオバオ中国ソーシャルメディア

 

淘宝タオバオ买家秀(購入者コメント)のネタ化事例。写真と実物の違うじゃんシリーズ。


⑥C2C販売者のオリジナルコンテンツ“第四のメディア”の影響力

▼3行まとめ
・第四のメディア=非公式ECショップ店による説明コンテンツ
・口コミ全体の40-50%
・C2Cをいかに使うかがポイント

今年の中国ソーシャルメディアのカテゴリーのうち、我々は従来のソーシャルコマースプラットフォームを削除し、これをECカテゴリー内に組み入れた。なぜなら、ソーシャルコマースはあくまでECプラットフォームの一部でしかないからである。淘宝(タオバオ)、wechat微信上でメイク、ファッション、電化製品を扱う小型ネットショップなどのECプラットフォームの活躍は特に顕著である。うち一部の販売者はフランチャイズ形式で販売をする公式の売り手であるが、多くは一般の売り手である。これらのネットショップは消費者とコミュニケーションをとり、ソーシャルメディア上で販売促進、更に、自分のウェブサイト上で情報の発信もしているが、これら情報の正確性は保証することができない。とはいえこれらのネットショップは小規模であってもブランドにとって相当な影響力をもち、ネットショップ上での口コミは全体約40%~50%を占めるほどである。また、これらの口コミは教育性と実用性を兼ね備えており、消費者に対する購入のアドバイスや影響を与えることができる。

ブランドは、有料ウェブマガジン、オウンドメディア、無料メディア(キュレーション系)を凌駕する存在であるが、“第四のメディア”(=C2C販売者による商品説明コンテンツ)はブランドによるコントロール、影響から独立したものであるため、ブランド側としては非公式ECショップ店による説明コンテンツの動向を慎重に注視し、これらのC2Cネットショップをフォローするとともに、ネットショップがブランド認知と販売に影響があるのか、影響がある場合はどれほどの影響があるのかを必ず把握する必要がある。

▼イヨタコメント
C2Cの動向まで確認しないといけないんですね。日本企業でいうと、中国人爆買い!店舗対応どうしようというところでしょうが、代理購入、個人輸入で淘宝(タオバオ)販売が基本ルート。自社製品がそこでどうプロモーションされているか、どういうコメントが付いているか、販売価格はいくらか、月間販売量、他にどういった商品を取り扱っているか、自社商品を取り扱っている淘宝(タオバオ)ショップは何店舗あるか、総販売量はどれだけあるか、購入者データ、この辺まで見れている企業ってあるんでしょうかね。クーポンつけてちょろっと中国媒体使ってプロモーションするよりも、C2Cで展開している個人ECショップ経由でいかに販売するか、販売しやすくするための体制を整えた方が良さそうですね。実際に、今、wechat上で回ってくる韓国のフェイスマスクなんかはディストリビューターを通しての販売が盛んです。これはこれで中国のビジネス雑誌でも話題になってちょっと問題になってますが。中国エアコン市場で外資系メーカーとしてはトップシェアを誇るダイキン工業の初代中国部長として陣頭指揮を執った高橋基人さんが執筆された”中国人にエアコンを売れ”の中でもディストリビューターとの関係性についての記述があったような気がします。ちょっと復習します。

perfect whip中国タオバオ perfectwhip中国タオバオ評判


画像は中国ECサイト上のperfectwhipを販売する店舗。月間販売数1066点、そして重要なのは、二枚目のこの口コミの部分です。

以上アジアビジネスなう!

いやー中国ソーシャル界隈となるとやはり興奮してしまいますね。中国ソーシャルメディアランドスケープ2015の中で、個人的にマークしている領域は


①Communication
  -wechat微信,weibo微博,QQ
②Video & Music
  -优酷youku,土豆tudou,哔哩哔哩bilibili
③Short Video
  -美拍,秒拍,拍客,微视
④Travel
  -马蜂窝,穷游,蝉游,去哪儿

の4領域です。これらの領域については中国アプリ一覧と、業界動向、日本企業の活用のために、、、といったところと、私が運用する中国アカウントのデータ、中国企業の最新事例といった具体例もあわせて記事化していきたいと思います。

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