Don’t speak Japanese in your Kaisya ~忍び寄るグローバル化~


 



さて、今回のテーマは企業の英語公用語です。

英語公用語化は日本語を単に禁止するといった簡単なものではありません、
その裏には多くの隠された意図が存在します。
楽天やユニクロといったグローバル企業に特徴的な施策ですが、
もし、明日の朝礼で英語化が宣言されたらどうしますか!?

今回は楽天を例に公用語英語化とその背景、その意図についてご紹介します。

私は、ラオスを旅行中、アクセサリー売りの少女との会話を通して、彼女が流暢な英語を話すにも関わらず、ラオス語の読み書きができないということを知り、この体験から私は近い将来、少数言語の保護や言語教育に携わることを決意しました。反対派が危惧する点の一つとして、このラオスの少女のような事態が考えられます。

一方で、私はあるベンチャー企業の海外事業部で中国事業に携わっており、普段の業務で英語、中国語を使用しているため、外国語推進による恩恵を受けることも可能であり、日本語以外の言語の使用はビジネス上必須で、特に今後アジア領域でその重要性は増していくと考えています。翻訳というプロセスを省くことによるスピード感は大きな利益となりえます。

さて、前置きが長くなりました。
企業内英語公用語化の論点は主に三つ挙げられます。

①仕事か英語か
②日本人同士で英語を話すことの効率性
③言語権、英語帝国主義、日本文化の衰退

このポイントに注目して下記の本から楽天の英語公用語化についてみていきましょう。

たかが英語 三木谷浩史 講談社

第一章 社内公用語英語化を宣言
第二章 楽天英語化プロジェクト・スタート
第三章 英語は仕事
第四章 楽天英語化の中間報告
第五章 楽天グローバル化計画
第六章 グローバル化は日本の生命線

さて、三木谷さんは何を考えているか?

それはズバリ

先回りとしての英語公用語化で、海外の優秀人材の受け入れ準備と、
日本でのノウハウを日本人が海外で発信できるようにしよう。

ということ。

 

新興国の成長によって、世界の中の日本のプレゼンスが相対的に低下していく中で、楽天は“海外へ打って出て、真のグローバル企業になる”という事業戦略を策定しました。そのうえで、通訳を介した業務の効率の悪さや、優れた人材を雇用するうえで障害となっている日本語、この点を英語公用語化によって打破しようというものです。

 

本書で登場する英語公用語化での利点

  • 英語漬けで効率的な学習が可能
  • 非日本人優秀人材の活用
  • グローバルでスピーディーな情報共有
  • グローバル“ヨコテン”
※ヨコテンとは楽天用語で、グループ内での優秀人材異動のことであり、有用なノウハウを持った社員を楽天グループ各社で次々と異動させる横展開のことである。

 

では、楽天はいかにして海外進出し、グローバル企業となるのか?

“世界企業になるということは世界の国々の人のアイディアを共通言語でディスカッションできる人材を擁していること。それこそ、『世界企業』の『世界企業』たるゆえんなのです”

“楽天英語化の主眼点の一つは、日本で培われた楽天のノウハウを世界に伝えるところにある”

 第五章より

グローバル=英語、まずは英語だ、といういささか安易な発想のようにも思えますが、この点に関しては、買収先をいかに巻き込んでいくか、グローバル化の本気度を示す強いメッセージ性、とかなり説得力のある説明がなされています。特に三つめのノウハウの世界発信は、社員のヨコテンを世界規模で進める、という社員にとっても明確なビジョンがあるため、非日本人の活用と合わせてかなり強力なグローバル化要因です。多様化の推進はエネルギーを生み出します。アメリカ大統領選でオバマが取った戦略もやはり多様性を掲げたものでした。集団思考の罠から抜け出すには多様な人間の多様な意見に耳を傾けることが可能な組織体質が必要であるのかもしれません。

英語と仕事能力は別であるという一般的な反対意見に関しても、仕事能力に関して、意思決定の際に、多様な意見、価値観を受け入れることが今後必須となる能力であることを考慮すると、日本語によるものしか受け入れられないという性質は、大きな欠陥ととらえてなんら問題ないでしょう。つまり、日本語以外の言語を理解する能力も仕事能力のうちである。というのが私の見解です。

この点に関しては、本書で紹介されたハーバードビジネススクールの二―リー氏も“会社の中であれ、外であれ、そこにいる人たちと意思疎通する能力なしに世界の多くのマーケットに参入していくことは可能でしょうか。この問題に答えなくてはなりません。言語能力はグローバル化を達成するために必要な最も基本的な能力なのです”と述べています。

 

総じて、本人の英語力の問題というより、非日本人活用のためという点が根幹にあります。

 

今日のまとめ

・英語=優秀ではない、英語は仕事能力の内の一つ
・日本語を話さない優秀な人を社内活用するための非日本語化(英語化)
・②については、楽天の場合英語学習の機会として認識
・③については、 『英語を公用語にしてはいけない3つの理由』を題材に後日紹介します。

 




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