日中バイリンガル面接官直伝。中国人面接のタブーと効果的面接のための質問例。 -中級編-


中国人を採用されている企業の採用担当者様。
中国人の採用を検討されている企業の採用担当者様。

今年の中国人採用の状況はいかがでしょうか?
反日デモの影響や、中国人学生の就活のオンライン化等、2013年度新卒採用は波乱の幕開けとなっています。

いざ学生との面接までこぎつけても、中国人学生の日本語の問題か、なかなか意思疎通がうまくいかない。
中国人と何を話せばいいのかわからない。そんな悩みをかかえていらっしゃる担当者は多くいらっしゃるかと思います。

これはもしかすると、中国人学生の日本語能力だけではなく、中国人採用担当者様側のコミュニケーション上の問題点があるかもしれません。

中国人面接で気をつけたいポイントを、

1.日中の言語差
2.大学生活の違い
3.就業観の違い

以上の3点から考察し、中国人学生の能力や経験をうまく引き出すための、NG表現、模範質問をご紹介したいと思います。

 

1.日中の言語差

日本人の言語表現は曖昧である。と言われることがあります。
アメリカの文化人類学者であるエドワード・T・ホールが唱えた『ハイコンテクスト文化とローコンテクスト文化』という識別法によると、日本はハイコンテクスト文化とよばれる、コンテクストつまりバックグラウンドとしての共通知識の共有性が高い文化であり、以心伝心や暗黙の了解が存在すると言われています。

コンテクスト依存は、異なる体験・価値観を持つ別集団には通用しません。
出来るだけ言語化してコミュニケーションを計ることが有効です。

【NG質問例】

・ひとつ質問してもいいですか?

中国人学生にとっては、なぜこのことを聞かれるのか不思議に感じます。
面接官からすると、つなぎ言葉として使いやすいフレーズですが、当然のことに対して相づちをあまりしない中国人としては、返事が必要であることがわからず、面接官の次の質問を待ち始めてしまい、「はい」という学生からの返事を期待する面接官との間にコミュニケ―ションギャップが生じてしまいます。

【NG質問例】

・えーと、あのー、

中国人学生は一言一句聞き逃さないように真剣に聞いています。これらの表現はできるだけ避けましょう。

【NG質問例】

履歴書にあるエンジニアコンテストはどんな感じでしたか?

【模範質問例】

・履歴書にあるエンジニアコンテストについて、簡単に説明してください。
・具体的にどういう成果があったか教えてください。

もしくは、こちらから具体的な質問をぶつけることが大切です。漠然とした質問だと、何がどんなかんじなのか、学生は分かりません。ここでも、できるだけ言語化することをお勧めします。

2.大学生活の違い

日本の大学生活は比較的自由で、大学時代にサークル活動やアルバイト、学生団体といった学業以外の課外活動が、面接時の質問事項として定着しており、面接官もこういった大学生活のイメージに基づいて、学生をうまくひきだすような質問を投げかけます。

一方、中国の大学では授業や成績が特に重視されます。そのため課外活動も活発ではなく、学生が大学時代に頑張ったことと言えば、大学での専攻の学習ということになります。
経済学と日本語や、ソフトウェアエンジニアリングと日本語、といった双学位(ダブルディグリー)の学生もおり、彼らの学業に対する熱意は評価に値します。

【NG質問例】

・大学時代がんばったことはなんですか?

【模範質問例】

→専攻分野では具体的にどういった勉強をされていますか?
→専門分野の学習以外に、大学時代にがんばったことはありますか?

 

3.就業観の違い

日本の就職活動においては、総合職新卒一括採用で終身雇用制度ということもあり、様々な業務領域を経験しながら広範なスキルを磨いていくというキャリアビジョンを描いている学生が多いようです。

一方中国では、自分の専攻領域と業務の関連性が重視されます。教育統計情報に関する中国の第三者評価機関である麦可思が今年発表した、大学生就業白書(2011年版)によると、2011年の新卒学生の内、四年制大学を卒業した学生の内71%が、自身の選考分野と関係のある業務に従事しています。

【NG質問例】

・夢はなんですか?

「将来の夢」は、日本の就活では一般的な質問項目ですが、「夢」という言葉は、面接時には日中間の微妙な意味の違いが影響します。
中国人学生にとっては、仕事とは関係ない理想的な生き方を表します。そのため、中国人学生が仕事とは関係ない夢を語る場合があり、「世界中のおいしいものを食べることです。」といった回答をされることもあります。

【模範質問例】

→仕事上で達成したい目標はありますか?

「夢」という単語を仕事とより結びつきやすい「目標」という言葉にかえて質問します。
※どういったキャリアビジョンをお持ちですか?
この質問は、一般的ではない外来語のため、やはり上記の言い換えが効果的です。

【NG質問例】

・具体的な業務の話がない。

中国人学生にとって、大学で学んだ専門知識を活かすことが、企業選びの上での重要項目となっています。そのため、具体的な業務内容や、
入社後どういった業務ができるかを質問をすることで、企業と学生の両者が共に働くイメージをつかむことができます。

【模範質問例】

→大学で学んだ知識を活かして、弊社で何ができると思いますか?

どんなことができると思いますか?よりも何ができる思いますか?の方が学生にとっては分かりやすいようです。
何ができると思いますか、ですと口調は強いようですが、中国語に翻訳するとあまり問題ありません。

中国人面接の際は、日本人に対して使う日本語とは違った、わかりやすい日本語を使うことを心掛けましょう。
日本的考え方や、日本の慣習に合わせて、日本語能力や適応能力を計ることも大事ですが、

1.日中の言語差
2.大学生活の違い
3.就業観の違い

これらの三つの違いを念頭に、中国的視点を身につけることで、より効果的な面接を行うことができるかもしれません。
中国人面接の前に是非、質問リストをご確認ください。




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